様々な面で注目されているこの犬種群であるが、いくつかの課題点が残されている。その一つは完全に原種の姿に戻すことにより起こる諸問題である。
ショードッグとしての改良は犬の健康に悪影響を植えつけただけであるというわけではなく、良い特徴を伸ばしたり、気性を和らげるといった良い影響を与えている場合も多い。そのため、完全に原種に戻してしまうことでこの良い影響まで取り除いてしまい、却って犬質が悪化してしまうというリスクも高い。このため、現在のオールドタイプ犬種の大半は、現代の犬種本来の良いところを残しつつ原種へ戻す方針で改良・作出が行われている。
擁護者は多いが、その一方で現在の犬種の愛好家からは強く非難されている種類もある(例:
ビクトリアン・ブルドッグ、
オールド・パグなど)。その理由は主に外見を大きく変えてしまうことにより、その犬種独自の魅力が半減することなどで、このため、中には現代の犬種と原種の中間型といったオールドタイプ犬種も作出されている(例:アーカンソー・ジャイアント・ブルドッグなど。)。
どれほどこのブームが続くかは定かではないが、これを機に種としての犬の健康がはっきりと見直されるようになったという点は、今後犬種暦学の中でも大きなターンニングポイントとして捉えられるようになる事は間違いないとされている。