歴史
20世紀にスイスで狩猟規制が布かれ、それに伴って作出された犬種である。ジュラ地域のセント・ヒューバート・ジュラ・ハウンドをバセットタイプの犬種と掛け合わせて足を短くし、体高を落としたものである。
主にノウサギやシカなどの臭いを追跡するのに用いられる。本種もセント・ヒューバート・ジュラ・ハウンドと同じく、臭いの追跡のみが仕事で、獲物を自力で仕留めることはしない。
現在生存頭数は非常に少なく、絶滅が危惧されている。基本的に原産地にしか存在せず、ほぼ全ての犬が実猟犬として使われている。
特徴
セント・ヒューバート・ジュラ・ハウンドの脚を短くした、そのままの姿をしている。それと同じくセント・ヒューバートの血により、嗅覚が極めて鋭い。筋肉質のがっしりした体格で、スモール・スイス・ハウンドの他種と同じく、胴長短足。頭部の形はセント・ヒューバートの子孫であるブラッドハウンドに似ていて、顔にはしわがあり、のど下にはデューラップというたるみがある。マズルは太く短く、耳は長めの垂れ耳、尾は飾り毛のない垂れ尾。コートはスムースコートで、毛色はツートーンのブラウンかタン・アンド・ブラック。体高は他のスモール・スイス・ハウンドと同程度だが、体重はそれらより重い。性格は従順で温和、警戒心が強い。初対面の人に対しては警戒心を持つが、いったん打ち解けると好意的に接する。嗅覚が優れていて、獲物の臭いを追跡することが大好きである。バセットタイプの犬種としては非常に力が強いが、攻撃的な面はなく、温厚である。吠え声はよく通り、粘り強くスタミナは多い。運動量は膨大で、かかりやすい病気はしわやデューラップの間におきやすい皮膚炎や股関節形成不全などがある。
参考文献
『デズモンド・モリスの犬種事典』デズモンド・モリス著書、福山英也、大木卓訳 誠文堂新光社、2007年