ドイツ音響作曲（ - おんきょうさっきょく）とは音楽学者の野々村偵彦によって
フライブルク楽派のことを指した日本独自の楽派分類である。
当然ドイツでは、このような分類法は意味を持っていない。しかしながら、この楽派に分類された細川俊夫はウォルフガング・リームやベルンフリート・プレーヴェと共にシュトットガルト楽派に属するはずの音響作曲法のひながたであるヘルムート・ラッヘンマンにむしろ私淑している。現在ではこれらの二つの楽派も分岐が著しく、両者のカテゴライズが困難な状況に面していることを考慮すると、「ドイツ人の嗜好」を的確に表すにはこの命名のほうが適しているという意見も多い。
このような名称は、日本人の外国に対する視線の単純化および図式化を明確に物語っている。同様に、諸外国からの日本の作曲家たちへの眼差しもこれと大差がない。