ここでは世界各国で目撃された、あるいは伝承されているドクスの情報を述べる。中には情報が少なく不確かなものが多い。
- イングランドの伝説では既出のようにキツネの雄とテリア種の雌との間にドクスが生まれると言い伝えられている。しかしながらテリア種の犬種はキツネを狩るために改良された犬種であるため、キツネを見ると戦いを挑むことが多いのでおかしいとする見解がある。
- 年代は明らかではないが、ポルタロック・テリア(ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリアの原種)の血が入ったワーキング・テリアの雌と土着のキツネとの間にドクスが1頭だけ生まれたと報告された。しかし、若年性の癌により安楽死処分されてしまった。
- カナダでは18世紀ごろ、シェットランド・シープドッグの雌犬がキツネに襲われ、2頭のドクスが生まれた。科学的な検証は行われなかったが、これは世界で最も確信のあるドクスであるとも考えられている。
- 南米では19世紀にアメリカン・フォックスハウンドの雌がキツネと思われるイヌ科の動物に襲われ、2頭のドクスを産んだ。しかし、DNA検査の結果によりこの犬の父親はキツネではなくタテガミオオカミだったと判明した。ちなみにこのミックス犬はこの後に猟犬として使われた。
その他、世界各地ではシベリアン・ハスキーやアラスカン・マラミュート、イングリッシュ・グレイハウンドとの間にもドクスが誕生したといわれている。