パントエア・アグロメランスはグラム陰性菌であり、広く土壌および植物(小麦、イネ、サツマイモ、リンゴやナシなど)に存在する。本菌は窒素固定や無機リンを溶解する作用を持つことから、植物の成長を促進する
*7*8*9。アメリカ合衆国、カナダ、オーストラリア、日本産のすべて小麦の主要な付着細菌であることが報告されている
*10。以上のことから、広く植物に共生するグラム陰性菌であると考えられる。また、ヨーロッパで広く食べられている発酵ライ麦パンは乳酸発酵により製造されることが知られているが、乳酸菌の増殖に先立ち、パントエア・アグロメランスが増殖し、乳酸の増殖(発酵)に必要な葉酸(ビタミンの一種)を供給していることが報告されている
*11。さらに、欧州では、パントエア・アグロメランスの生菌をリンゴやナシの果実のカビによる病気を防ぐバイオ製剤として使用されている。